久しぶりにはてなアイディアの話題
今回は、はてなワードの「カテゴリ」についてと、それに対してユーザの方々に出していただいたアイディアについてご紹介いたしましょう。
はてなワードの「カテゴリ」とは
以前も論じたとおり、はてなワードというものは日記にその語が使われているときに、その道に詳しくないお客様でもブログを安心してお読みになることができるようにリンクによって随時説明をしてくれるというサービスです。
ところで、はてなワードに登録されている単語と言うものを全てにリンクを張ってもいいものなのでしょうか。たとえば、以前述べた「セント」と言う言葉も(少なくともこの意味では)「音楽」関係の人以外がこの言葉を使うことがあるでしょうか。たとえ最長マッチでも、「音楽」関係の人のための言葉のために「誤爆」という被害を無関係の人に撒き散らすのは具合が悪いですね。
そこで「カテゴリ」というものが登場するのです。
「カテゴリ」というのはまさに「どの道の人がこの言葉を使うのか」ということを表したものです。
現在、はてなワードには特殊機能を持ったカテゴリを含めて下記19のカテゴリが存在します。
- 一般
- 読書
- 音楽
- 映画
- ウェブ
- コンピュータ
- 動植物
- アニメ
- 食
- スポーツ
- ゲーム
- マンガ
- アイドル
- 地理
- アート
- サイエンス
- はてなキーワード
- はてなダイアリークラブ
- 削除予定キーワード*1
「カテゴリ」の現状
「カテゴリ」というものはリンクする人を選ぶという点で非常に有効な機能をもっております。そのため、上記のようにカテゴリを細かく分類することによって話題の対象を絞ることができるのです。「アニゲ」のように大きすぎると、「ここではアニメの話題しかしてないのに、ゲームの意味でリンクされた」という問題も生じるのです。
しかしながら、細かく分けると言うことにも問題があります。先ほど挙げたカテゴリを御覧ください。太字になっている部分はカテゴリの中でも所謂「芸能ジャンル」のものです。
ところで、「お笑い関係」はどこに入れましょう?
先ほど挙げた芸能カテゴリの中には該当カテゴリは存在しません。(強いてあげると「アイドル」でしょうか。)
このように、細分化しすぎてしまうと全て挙げたつもりでも漏れが生じてしまうということがあるのです。このことは、naka64さんも指摘なさっております。
もちろん、他にも漏れはあるでしょう。
解決策として
閑話休題。では、「お笑い関係」を分類するためのカテゴリとしてcaramellyさんがご提案になったこのアイディアはいかがでしょう。
キーワードのカテゴリーとして「芸能」を新設。 (idea:672)
たしかに、「お笑い関係」というものは、芸能関係の一つですね。だから、それを分類する先としては一見すると言いように思えます。
でも、よく考えても見てください。
先ほど挙げた4カテゴリ「音楽」「映画」「アイドル」「アート」も「芸能」の一つですよね?
図解すると、
芸能-----音楽 | |--映画 | |--芸能人---アイドル | |--お笑い関係 |--アート
このように、ここで要望として出していることは「『芸能』というくくりの大きいジャンルを作ってください」ということなのです。
百歩譲って「上記四カテゴリ以外を『芸能』にいれればいいじゃないか」と言うとしましょう。でも、これははじめてキーワードを登録する人にとってどうでしょうか。キーワードを登録するときカテゴリはドロップダウンで選択するようになっております。ここで、ドロップダウンと言うものは羅列している中から適当なものを探し出さなければなりません。最初から対象が決まっている場合はすぐに見つかるでしょうが、あるかどうかわからないものは特に20くらい項目があると見つけ出すのが困難です。
たとえば、「アイドル」関連の用語を登録しようとしたとしましょう。このとき、ドロップダウンを一通り見て「アイドル」よりも先に「芸能」を見つけてしまった場合はどうでしょう。たしかに、「アイドル」関連のものは「芸能」関連のものでもありますので、誤ってそこに登録してしまうのです。
これは、誤って登録したユーザが悪いのではなく、カテゴリを登録させるためのインターフェイスが悪い---専門用語で言うと(「フールプルーフ」などの対策をほどこすような)ユーザフレンドリーとは言えないインターフェイスなのです。
もちろん、株式会社はてな様はこのブログやキーワードシステムをお作りになっているくらいグラフィカルユーザインターフェイス(GUI、末端ユーザ(この場合はキーワードを登録するはてな会員)にとっての使いやすさ)に関してはプロなのですからそのくらいのことはわかるはずです。インターフェイスがユーザフレンドリーでないとはてな会員も離れてしまうでしょう。
だから、このような「学問」「芸能」というような、他のカテゴリも対象に含まれてしまうような大きすぎるくくりのカテゴリを新たに作ることはいくらユーザの要望とは言え、叶えることができるわけがないのです。かといって、四カテゴリを削ってまで「芸能」を作ったところで、先ほど挙げた細分化した意味がなくなってしまいます。
ではどうすればいいか
このような要望を出した根本的な背景は「『お笑い』関係の分類先(他のものもあるでしょうが)をつくりたい」だったはずです。
つまり、「問題提起」は正しいのに、その「解決策」が間違っているのです。
もちろん、idea:672におけるコメントで私が提案した方法が完全に正しいとは言いません。ただし、この解決策がGUI上大きな欠陥があることは事実です。
幸い、はてなアイディアでは「既に提案されたアイディアに吸収させる」ということができます。つまり、新たに「根本的」となる解決策を提案し、その解決策にidea:672を吸収させて「解決策の方向転換」をはかればいいのです。
「問題提起」は正しいのですから、せっかくベットしてくださった方々(反論のために私がしたものも含めて)のためにも是非方向転換をしていただきたいものですね。